ゴーン事件の概要

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2021年4月8日木曜日

論説(冤罪類型論)

 

冤罪類型論1

法律の解釈の局面で発生する型    不能犯型 誤解釈型 中間型  がある

具体的な例でいえば本件有報虚偽記載事件が不能犯型で、白山丸事件が誤解釈型、ゴーン夫人の偽証罪事件が中間型である。厳密に言えば、本件有報虚偽記載事件には公訴時効の問題があるから、不能犯型と誤解釈型の連結型である。因にゴーンの国外脱出を助勢したアメリカ人に対する犯人隠避罪については誤解釈型である。

今回の入国管理法違反(無審査出国罪)については中間型と類似の問題がある。犯罪論では構成要件該当性では違法性は認定されるが、責任性は別論である。ゴーンは単に無審査出国罪を犯したのではなく、違法な長期拘束の次には、不当な裁判の長期化(既に逮捕起訴から1年2か月にもなるのに第一回公判期日の指定すらない状況)を目の当たりにして、出国を決意したと述べているように、違反は正当防衛にあたる可能性がたかい。違法性阻却事由の存在である。かかる場合にも検察の公訴提起は不当違法であるから冤罪未遂被害と言えよう。

冤罪類型論2

事実認定の局面で発生する型   いわゆる事実誤認である

前者が罪でないものを罪とするのに比べ、本類型は犯人でないものを犯人とする類型である。世間の人は冤罪と言えば本類型を想定する。前者は狙い撃ち型であり、本類型は強引当て嵌め型である。両者に共通する違法手続が、強制による自白である。

日本の裁判官の辞書には「事実誤認」という言葉はない。弁護人がどれだけ事実誤認を訴えても認められ無い結果が99.9%の有罪率でもある。但し、論理的には有罪率を議論する場合には否認事件についての有罪率でなければならず、犯罪を自認する事件は有罪となるのが当然だからである。

2021年4月7日水曜日

論説(冤罪基本論)

冤罪の責任者は裁判官である

被告人の有罪無罪を最終的に判断決定するのは裁判官であるから、冤罪の責任は裁判官にあるのは極めて当然のことである。しかし、日本では冤罪判決を裁判官が絶えず繰り返しても、その責任をとって何等かの処分を受けたという話を聞いたことが無い。これが民主主義社会として異常なこと「おかしいこと」と国民が思わないように教育されていることが問題である。アジアの隣国で「反日教育」がされていると日本人は憤る。日本人社会の中で「公務員甘やかし教育」がされていることを先ず日本人は反省すべきではないか。冤罪によって、罪のない人が現に苦しめられているのだから。

冤罪は法律家による犯罪である。

冤罪は裁判という法律専門家だけが関与操作できる手続で生み出されるのであるから、主犯が裁判官というだけで、検察官も弁護人も共犯者である。過去の大きな冤罪事件では国選弁護人が無罪弁護をせず、最初から有罪承認の情状弁護だけで終わっている例が大半である。これを共犯と言わずして何と言う。この根本原因は裁判を神殿の奥の秘儀としてきた法律家全員の責任である。法律の条文が難解であることを権威のよりどころとするからこのような結果となる。法律家の底の浅さが冤罪の根本理由の一つであることを国民は知る必要がある。

論説(大本営発表と検察リーク情報)

大本営発表

太平洋戦争時、大本営は国民の戦意を鼓舞向上させるためだけに虚偽の情報を国民に流した。その広報拡散役が報道機関・報道記者達であった。戦後、識者はこぞって、大本営を批判したが、その手先となったメディアについては自己批判も反省も聞かれなかった。ゴーン事件の報道は、大本営が検察に代わっただけで、記者が情報を鵜呑みにしている点は全く同じである。メディアは再び同じ過ちを犯す歴史を繰り返している。

検察リーク情報

ゴーン事件では、裁判で証拠に基づく正確な情報の公開公報の前に、既にゴーンは真っ黒の有罪者として検察のリーク情報によって染め上げられてしまっている。検察のリーク情報が真である保証はない。ここまでであれば、戦前、大本営が虚偽の戦況を発表したのと全く同じである。ゴーンが自由の身になって海外から発表する検察にとって不都合な真実があれば、それはまさに、国民は平成令和の大本営発表に踊らされたことになる。