ゴーン事件の概要

上記のリンクリストの
①ページ【ゴーン事件】を見てください
②ページ【ゴーン冤罪事件】を見てください

2021年4月8日木曜日

ICPO国際手配


 国民へのポーズとその失策

乱発した国際赤紙手配

最初の国際手配

ゴーンは2019年12月末に国外脱出した。国内外ともに大騒ぎとなったが、ここで日本政府はゴーンを国際手配をした。マスコミは検察リーク情報を御用達機関とばかりに垂れ流す能力しかないため、必要な正確な情報を国民に流すことができない。今回もそれが外国の情報によって暴露された。重要な事は、最初のゴーンの国際手配時には、まだゴーンについて入管法違反容疑(国外への無審査出国の罪)の逮捕状は請求されていないかった事実である。では身柄拘束は何を根拠に主張されたのか。当時、ゴーンの身柄拘束の理由となる法律的根拠は2つしかなかった。一つは直前に犯した入管法違反であり、あと一つは保釈条件違反による保釈取り消しの効果としての拘留状である。検察はこの拘留状を根拠に国際手配をした。これが後に重大な国際的法律問題を発生させた。これが外国で暴露されたのである。

日本人手配と外国人手配の根本的差異

日本人が日本国内で犯罪を犯し国外逃走した場合、国際手配して身柄引き渡しを国際的に求め、相互に協力することは合理的であり、その意味でICPOは有意義な国際協力組織である。しかし、外国人の場合、特に、外国人が母国に戻った場合、日本から見れば逃亡であっても、母国からみれば帰国である。ゴーンの場合、母国レバノンへの入国は適法な手続を経たものであったため、一層、母国から見れば、適正な帰国者であった。この場合、ICPOの規定では、ゴーンの裁判を日本で行うかレバノンで行うかの合意を40日以内に決定しなければならないとされているという。しかし既に日本では裁判が開始しており、そのような議論の余地はない。つまり、日本は本来なら身柄拘束を求めることができない事例について国際手配をしたことになる。日本はICPO規定違反を犯したことになる。ここでも重要なことは、日本の裁判所は無理にゴーンの身柄を拘束して強制的に出頭させなくても、裁判の進行、公判手続きの進行には全く支障がないことである。結局、検察は必要のない身柄拘束を求めたことになる。これも国民が何も知らされていない重大な事実である。

第二の国際手配

ゴーン夫人に対する偽証容疑の逮捕状請求と国際手配である。前記の説明を理解した人にはこの国際手配が、明かに権利濫用で最初から国内の国民向けのポーズでしかないことが理解できるであろう。検察は最初からゴーン夫人の身柄引き渡しが不可能なことは百も承知で国際手配した。勿論、夫人の母国での裁判に合意する筈もなく、今回も結論は有耶無耶となり、実際のゴーン夫人の逮捕や引渡しが行われることは無い。検察は最初からこの予定であった。ゴーン夫人の名誉を棄損しただけの国際犯罪と言える。国際手配しておいて、ゴーン夫人の母国での裁判を拒否したことは、法的には正当と認められる余地はなく、将来、日本政府はゴーン夫人から損害賠償請求訴訟を提起されることになる。

第三の国際手配

検察はやっと、ゴーンとアメリカ人数人を入管法違反罪と犯人隠避罪で逮捕状をとり、国際手配をした。しかしもはやゴーンの母国のレバノンがゴーンの身柄を引き渡すことはなく、勿論、アメリカ政府も同様である。アメリカ政府はゴーンの裁判が何処で行われるかを見極めなければ身柄引き渡しはできないのであるから、一層、日本への身柄引き渡しの可能性は無い。これらのことは既に自明の事実であって、検察は再び、国内の何も知らない国民むけにポーズとしての国際手配を行った。ゴーンは入管法違反罪については正当防衛を主張し、無罪を主張するであろうから、将来、検察の名誉棄損行為に対する法的反撃を行うことは必至である。